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アルドステロン/レニン比の検査と求め方を教えてください。

高血圧の約80〜90%は遺伝的背景と生活習慣が原因とされる本態性高血圧で、残りの10〜20%は二次性高血圧です。二次性高血圧には糖尿病腎症や腎炎などの腎性高血圧と原発性アルドステロン症(PA)やクッシング症候群、褐色細胞腫を代表とする内分泌性高血圧があります。

中でもPAは高血圧の約10%、特に難治性あるいは重症高血圧の約30%を占め、推定患者数は200万〜400万人、二次性高血圧の中で最も頻度の高い疾患です。

PA患者では副腎皮質腫瘍または過形成病変により、自律的にアルドステロンを過剰産生するため、血漿アルドステロンの増加とそれによる血漿レニンの抑制が特徴です。しかし、高アルドステロン低レニンが明らかでない場合もあるため、両者の比率増加がスクリーニングに有用です。

日本内分泌学会の「原発性アルドステロン診断治療ガイドライン」では、未治療の高血圧症について血漿アルドステロン濃度(PAC)と血漿レニン活性(PRA)または血漿レニン濃度(ARC)を同時測定し、アルドステロン/レニン比(ARR)を求めることが示されています。

ただし、測定値は採血時刻、体位、降圧薬などにより影響されるため、採血は午前、15分間安静後の座位(可能な限り30分安静臥位)で行います。

また、降圧薬により偽陽性、偽陰性を示す可能性があるため、未治療あるいは少なくとも2週間休薬後に検査します。降圧薬中止が困難な場合には比較的影響の少ないCa拮抗薬、α遮断薬、血管拡張薬に変更後検査します。特にアルドステロン受容体拮抗薬は測定値への影響が大きいため、少なくとも2ヵ月以上の休薬を要します。

PAC/PRA比>200 (またはPAC/ARC>40)ではPAを強く疑い、3つの確認試験(カプトプリル負荷試験、フロセミド立位負荷試験、生理食塩水負荷試験)のうち2種以上を実施し、確定診断を行います。

  ※アルドステロン/レニン比の求める際は単位に注意します。
    PAC:血漿アルドステロン濃度(pg/mL)、PRA:血漿レニン活性(ng/mL/h)
    ARC:活性レニン濃度(pg/mL)

表.PAC、PRAおよびPAC/PRA比に及ぼす主な降圧薬の影響
  PAC PRA PAC/PRA比
ACE阻害薬・ARB ↑↑
β遮断薬 ↓↓
レニン阻害薬 ↓↓
α1遮断薬  ↓
Ca拮抗薬 →〜↓  ↓
利尿薬 ↑↑
アルドステロン拮抗薬 ↑↑
比較的影響は軽度


〔参考文献〕
日本内分泌学会ホームページ
中尾佳奈子、他:Medical Practice 28(5)、2011