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小麦アレルギー検査について教えてください。

小麦アレルギーは卵、牛乳に次いで3番目に多い食物アレルギーで小児アレルギーの7%、成人の食物アレルギーの15%を占めています。特に運動誘発アナフィラキシーを発症する例が多く報告されています。

ある特定の食物を食べた後2〜3時間以内に運動するとじんましんや呼吸困難、血圧低下等の急性アレルギー症状(アナフィラキシー)を起こすことがあります。これは食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)と呼ばれ、運動によって原因食物の吸収が増加して起こるといわれています。小麦はFDEIAを起こす原因食物の56%、成人では85%と最も高率です。

小麦のアレルゲンはアルブミン・グロブリン等の水溶性蛋白質とグルテンと呼ばれているグリアジン・グルテニン等の不溶性蛋白質の2つに大別されます。特異IgE検査では「小麦」「グルテン」が該当します。また、小麦によるFDEIA(WDEIA)ではグリアジン(特にω-5分画)が関与していると考えられ、特異IgE検査「ω5-グリアジン」はWDEIAの診断に有用です。

一方、「小麦(属)」は小麦属の花粉に対するIgE抗体で春の花粉症アレルゲンの1つです。

ところで、石鹸や洗顔料、シャンプー等では泡立ちを良くしたり保湿の目的で小麦の加水分解物が配合されているものがあり、長期間使用すると皮膚から小麦加水分解物が吸収されるうちにアレルギー症状を起こしたり、小麦を含む食物を摂取して運動した後にWDEIAを起こすことが報告され、問題となりました。このような経皮感作型WDEIAでは「ω5-グリアジン」は低値もしくは陰性となるため「グルテン」や「小麦」を検査します。

FDEIA ; Food-dependent exercise-induced anaphylaxis
WDEIA ; Wheat-dependent exercise-induced anaphylaxis


表.小麦アレルギーにおける特異IgE検査陽性率
 特異IgE アトピー性
皮膚炎
通常型
WDEIA
経皮感作型
WDEIA
 小麦 100% 44% 70%
 グルテン 56% 48% 80%
 ω-5グリアジン 32% 82% 10%

〔参考文献〕
千貫祐子:アレルギーの臨床 31(6)、2011
Matsuo H et al:Allergy 63(3)、2008