CRCグループTOP > シー・アール・シー > よくある検査のご質問 >
ワクチン接種の基準となるウイルス抗体価を教えてください。

医療関係者(患者と接触する可能性のある実習生を含む)は伝染力の強い細菌やウイルス等に暴露する機会が多く、医療関係者自身が感染症から身を守るためだけでなく、周囲の患者や医療関係者への院内感染を防止するため、また医療関係者の欠勤等による医療機関の機能低下(損害)を防ぐために、免疫を獲得した上で勤務・実習することが重要です。

これまでウイルス感染症に自然感染すると一生罹らない(終生免疫)と考えられていましたが、高齢化や抗癌剤・免疫抑制剤・ステロイド等の治療により、免疫が低下した場合、感染する可能性があります。免疫の持続期間は自然感染で40〜50年、ワクチン1回接種で約10年といわれています。よって、感染歴、ワクチン接種歴があっても免疫能の有無を抗体検査で確認します。

発症予防に十分な抗体価が無い場合はワクチン接種によって免疫を増強します。十分な抗体価を有する場合、ワクチン接種は不要です。

ワクチン接種の目安となる検査方法および抗体価の参考値を下表に示します。検査方法によっては「陽性」=十分な抗体価とは限りませんので注意します。


表.検査方法と判断基準の目安
疾患名 検査方法 十分な免疫なし(基準に満たない) 十分な免疫あり
(−) (±)〜(+) (+)
麻疹
(はしか)
EIA法-IgG 2.0未満 2.0〜15.9 16.0以上
PA法 16倍未満 16倍、32倍、64倍、128倍 256倍以上
NT法 4倍未満 4倍 8倍以上
風疹
(三日はしか)
HI法 8倍未満 8倍、16倍 32倍以上
EIA法-IgG 2.0未満 2.0〜7.9 8.0以上
水痘
(水ぼうそう)
EIA法-IgG 2.0未満 2.0〜3.9 4.0以上
IAHA法 2倍未満 2倍 4倍以上
NT法 2倍未満 2倍 4倍以上
流行性耳下腺炎
(おたふくかぜ)
EIA法-IgG 2.0未満 2.0〜3.9 4.0以上
 

〔参考文献〕
医療関係者のためのワクチンガイドライン
第2版、日本環境感染学会、2014