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PTHインタクトが変動する要因には何がありますか?

副甲状腺は別名上皮小体ともいい、副甲状腺ホルモン(PTH)を分泌しています。このPTHは主に骨や腎臓に作用し、血中カルシウム(Ca)濃度を上昇させる働きをしています。つまり、骨の代謝を亢進させて骨のCaを血液中に出し、腎臓ではCaの再吸収を促進します。また、小腸では食事で摂取したビタミンDを活性型ビタミンDに変え、その結果、腸からのCaの吸収を高めます。

PTHは脈動的分泌があり、夜間睡眠時に上昇する日内変動があり、激しい運動でも上昇するとの報告があります。食事の影響はほとんどありませんが、カルシトニンやビスフォスフォネートなどの薬剤は血中Ca濃度を低下させPTH分泌を亢進させることがあります。また、抗がん剤や抗生物質など腎尿細管障害を起こす薬物により腎臓でのCa再吸収が低下してもPTH分泌亢進が起こることがあります。逆に、ビタミンD3による高Ca血症ではPTHは分泌抑制されます。したがって、PTHインタクトの異常値がみられた場合には薬物の検索が必要です。

ところで、多くのホルモンは血清でも測定可能ですが、血中で不安定なホルモンの測定には蛋白分解酵素の作用を抑える目的で脱Ca作用を持つ抗凝固剤(EDTA-2Na)を添加した血漿を用います。PTHは血中へ分泌された後、速やかに分解されるため、全血(血清)では低下傾向がみられます。よって、PTHインタクトは採血後、2時間以内に血清分離し、凍結保存をします。内分泌容器(EDTA-2Na入り)で採血された血漿では、室温、冷蔵ともに比較的安定しています。また、血清と血漿を比較した場合、血清は低値となるため、注意が必要です。

図.PTHインタクト値の変動(社内データ)