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プロラクチン値が高くなる病因には何がありますか?

プロラクチン(PRL)は脳下垂体前葉から分泌され、乳腺に作用し、乳汁の産生・分泌を調整するホルモンで、主に視床下部のドーパミンにより抑制されています。妊娠や産褥期には血中プロラクチン値は高くなりますが、これら以外に高値をとる場合は異常とみなします。

高プロラクチン血症の典型的な臨床症状としては性腺機能低下症と乳汁漏出無月経症候群です。女性では90%以上に月経異常が起こり不妊の原因となり、男性では性欲減退や稀に女性化乳房になることがあります。病因としてはPRL産生腫瘍のプロラクチノーマが最も多いといわれ、治療の必要性から最も重要な疾患です。プロラクチノーマを診断するには高プロラクチン血症を来す他の疾患や病態などを除外することが必要です。

プロラクチン値が高くなる要因の中で頻度が高いのは、抗ドーパミン剤による薬剤性高プロラクチン血症です。まず病歴や向精神薬、降圧剤、胃腸薬、ホルモン剤などの薬剤服用の有無をチェックします。また原発性甲状腺機能低下症や腎不全、肝硬変などでも上昇します。この場合、TSH、FT4やクレアチニン、尿素窒素、肝機能検査などの血液検査で診断できます。

ところで、血中プロラクチン値には夜間高値・日中低値となる日内変動があり、特に明け方の起床前にピークとなります。ただし、日内周期ではなく、睡眠による分泌増加のため、昼寝であっても睡眠依存性の増加が認められます。またストレス、運動、食事により一時的に上昇します。よって、採血は早朝よりも起床後2〜3時間の午前10〜11時の安静時にストレスを避け、空腹時に行います。食後採血する場合は1時間以上おきます。

さらに、PRLに対する自己抗体(主にIgG)とPRLが結合した大分子のマクロプロラクチンが一般成人の0.1〜0.2%に存在し、高プロラクチン血症の約10%がマクロプロラクチンによる偽高値と報告されています。マクロプロラクチンはホルモン活性がなく、体内に存在しても治療の必要性がないことから、マクロプロラクチンを測り込まない試薬を使用することが望ましく、試薬キットの確認も必要です。