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赤痢アメーバ検査について教えてください。

赤痢アメーバE.histolyticaはヒトに病原性を持つ腸管寄生性原虫で、栄養型と呼ばれる活動性の状態とシストと呼ばれる休眠状態の2つの型があります。通常、栄養型として大腸に寄生し、感染者の5〜10%に大腸炎を起こしたり、肝臓など他の臓器に膿瘍を形成し、重篤な症状を呈します。一部の栄養型はシストをつくり糞便中に排出され、ヒトからヒトへの直接感染や食物や水を介しての間接感染を起こします。

赤痢アメーバ性大腸炎の診断には便を検査し、粘血便を伴う症例では栄養型を、軽症例や無症状キャリアではシストを検出します。ただし、栄養型を検出するには糞便が排出された後1〜2時間以内に鏡検する必要があり、37℃に近い状態で輸送しなければなりません。一方、シストは冷蔵でも数日間安定していますが、非病原性E.disparとの鑑別はできません。いずれも検出感度は低いため、連続3日程検査を行う必要があります。また、大腸内視鏡で潰瘍があればその組織を採取します。

赤痢アメーバ性肝膿瘍の診断では、超音波やCT検査で膿瘍を証明し、穿刺やドレナージにより採取した膿瘍液中にアメーバ(栄養型)を検出、あるいは血清赤痢アメーバ抗体を調べます。

血清アメ−バ抗体の陽性率は大腸炎で50〜90%、肝膿瘍では95%以上と高く有用な検査です。大腸炎での抗体価は陽性下限に近いのに対し、肝膿瘍では強陽性に出ることが多く、画像診断と併せて鑑定診断に用いられます。ただし、治癒後1年程度では陽性になる場合があり、必ずしも現在の感染状態を反映していないという問題点があります。

よって、治癒判定には血清抗体検査は行いません。通常、治療後2〜3ヵ月以上臨床的再発がなく、糞便中にシストが検出されなければ治癒と判定します。