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間質性肺炎のマーカーについて教えてください。

肺は、酸素を取り込む肺胞という小さな組織が多数集まってブドウの房のような形をしています。肺胞と肺胞の隙間を間質といいます。肺炎は炎症の場所によって2つに大別されます。細菌感染などで気管支から肺胞に至る空気の通り道に炎症が起き、化膿して膿が溜まる肺炎を肺胞性肺炎(一般的な肺炎)といいます。これに対して、間質性肺炎は間質に炎症が起きる病気の総称で、進行して炎症組織が線維化したものは肺線維症と呼ばれます。この2つの肺炎は治療方法が異なるため鑑別が必要です。

間質性肺炎の原因は、関節リウマチや多発性皮膚筋炎などの膠原病、職業上や生活上での粉塵(ほこり)やカビ・ペットの毛・羽毛などの慢性的な吸入、病院で処方される薬剤、漢方薬、サプリメントなどの健康食品、放射線照射など様々です。また原因不明なものを特発性間質性肺炎といいます。KL-6やSP-A、SP-Dは肺胞壁を構成する肺胞II型上皮細胞に特異的に発現するため、間質性肺炎と非間質性肺炎の鑑別に有用な血液検査として用いられます。

KL-6はSP-A、SP-Dに比べて特異性が高く、特に薬剤性間質性肺炎、特発性間質性肺炎で高い陽性率を示し、細菌性肺炎や肺気腫などの他の肺疾患ではほとんど上昇しないと報告されています。ただし、肺腺癌や乳癌、膵癌などの悪性腫瘍で高値となることがあり注意が必要です。また間質性肺炎の活動性を反映するため、活動期、非活動期の判断に用いられます。

SP-AはKL-6やSP-Dに比べてより早期に上昇することが知られています。特に放射線肺臓炎では胸部単純X線写真では異常陰影がはっきりしない軽症例でも極めて早期に上昇し診断が可能です。しかし、喫煙や加齢により増加し、細菌性肺炎や心不全でも上昇します。

SP-Dは膠原病間質性肺炎や過敏性肺炎での陽性率が高く、放射線肺臓炎では陽性率が低く、SP-Aと同じく、細菌性肺炎や心不全で上昇します。

KL-6、SP-A、SP-Dのうち複数の検査を実施した場合は主たるもののみしか算定できないため、それぞれの疾患群にあったものを選択します。