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サイログロブリン高値は甲状腺癌ですか?

サイログロブリン(Tg)は甲状腺濾胞細胞で合成される蛋白質で甲状腺濾胞に蓄えられています。甲状腺が刺激されるとTgは細胞内に取り込まれ、蛋白分解酵素の働きで分子がこわれ、甲状腺ホルモン(T4、T3)として分泌されます。

正常の状態では血液中にはほとんど出ていきませんが、甲状腺腫瘍がTgを産生する場合に血中濃度が高くなることから、腫瘍マーカーとして用いられています。

また、腫瘍以外にも亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎などの炎症により甲状腺組織が破壊された場合、TSHやTSHレセプター抗体が甲状腺を過剰に刺激した場合、バセドウ病など甲状腺自身の機能が亢進した場合でも高くなります。

逆に、甲状腺全摘術後、甲状腺ホルモンを含んだ薬剤や食物など外因性の甲状腺ホルモンによりTSHが抑制された場合Tgが低値となります。

Tg値が1000ng/mLを超えるときは甲状腺腫瘍が悪性である可能性は高くなるといわれていますが、良性甲状腺腫でも高値を示すので、Tg値によって良性、悪性の鑑別はできません。

Tgは悪性の甲状腺癌全摘術後の腫瘍マーカーとしては非常に有用で、全摘術後にTg値が測定感度以下にならない場合は癌組織の残存を疑い、経過中にTg値が再上昇した場合は癌の再発、転移を疑います。

ところで、抗Tg抗体陽性の場合、実際はTg高値でも測定上の問題で低値になることがあります。甲状腺癌では20〜30%が抗Tg抗体陽性のため、Tg測定に際しては同時に抗Tg抗体を測定する必要があります。また、甲状腺穿刺(生検)をした直後は異常高値を示します。

Tg高値は臓器(甲状腺)特異性が高く、腫瘍や炎症を含めた甲状腺疾患の全般のマーカーであり、良性、悪性の鑑別診断には用いられません。しかし、甲状腺癌の全摘術後の評価や転移・再発マーカーとして非常に有用で、3カ月〜半年に1回測定します。