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マグネシウム検査の意義と異常値について教えてください。

マグネシウム(Mg)は成人の体内に約20〜28g あり、そのうちの60〜65%がリン酸マグネシウムとしてカルシウムとともに骨や歯などに、27%が筋肉内に、残りは肝臓や腎臓などの組織に含まれています。血中に含まれる量は1%以下です。300以上の酵素がその活性化にMgを必要とし、健康を維持していく上で欠かせないミネラルです。

Mg濃度異常による症状は大きく神経・筋症状と循環器系症状に分けられます。低Mg血症では心室性不整脈、高Mg血症では筋緊張の低下や呼吸抑制が起き、重篤な場合は呼吸停止・心停止に至ることがあります。低Mg血症は心不全や糖尿病、肝硬変、重症下痢症状の患者にみられます。また過度な飲酒や利尿剤、ビタミンCなどの服用でも起こります。免疫抑制剤シクロスポリン内服患者では投与後10日で出現するため注意が必要です。

高Mg血症は腎機能の低下した患者がMg含有量の多い食物を摂取した場合、あるいは制酸薬や緩下剤などMg製剤を投与された場合に起こります。特に、酸化マグネシウムは日常診療で最も多く処方される薬剤のひとつです。厚労省では酸化マグネシウム製剤を長期にわたり投与する場合や意識障害などの症状があり、Mg含有薬剤の服用歴がある場合は、高Mg血症を疑って血清マグネシウム検査を行うよう通知しています。高齢者では次第に腎機能障害が生じることが少なくないため、血清マグネシウム検査をNa、K、Clなどの電解質検査と同様にルーチン検査に加えられることをお勧めします。



図.高マグネシウム血症による症状

〔参考〕
木村琢磨:JIM 18(11)、2008
川村祐一郎、他:臨床医 31(6)、2005