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多発性骨髄腫の検査〜免疫電気泳動によるM蛋白同定について教えてください。

多発性骨髄腫の臨床症状は骨痛、貧血、腎障害、易感染性などで、これらの症状を手がかりに他のM蛋白血症を示す病態と鑑別しながら検査を進めます。

M蛋白血症の検査では、血清や尿の蛋白分画でM蛋白を検出し、免疫電気泳動によるM蛋白の種類の同定、血清免疫グロブリン定量を行います。免疫電気泳動によるM蛋白同定検査には免疫電気泳動法と免疫固定電気泳動法があります。

免疫電気泳動法とはアガロース電気泳動法とゲル内沈降反応の組合せた定性的分析法でさまざまな蛋白の同定が可能です。抗ヒト全血清を使用すると20種類以上の沈降腺が観察でき、個々の蛋白の異常をみることができます。血清では蛋白の欠損を調べるときに検査します。尿では糸球体や尿細管障害の検索のため、漏出蛋白の種類を調べるときに検査します。抗ヒト特異血清を使用すると、より確実に個々の蛋白の同定・解析が可能です。一般的には、M蛋白の重鎖クラス(IgG、IgA、IgM、IgD、IgE)および軽鎖の型(κ、λ)判定に用います。尿ではベンス・ジョーンズ蛋白の型判定に用います。

一方、免疫固定(電気泳動)法とは電気泳動により分画した後、抗原抗体反応を行わせ、免疫沈降物を検出する方法です。電気泳動後に特異抗血清を反応させることでM蛋白が拡散せずに固定化することが可能で、特に微量なM蛋白の検出や複数のM蛋白が存在する場合に有用です。従来の免疫電気泳動法によるM蛋白同定ではM蛋白濃度が100mg/dL以上でなければ検出が困難でしたが、免疫固定法では 5mg/dL以上あれば検出が可能です。また、免疫固定法は血清蛋白分画で判別できるMピークであれば、おおよその検体で型判定が行えます。

従来のM蛋白同定は免疫電気泳動法で行っていましたが、現在では免疫固定法により、高感度にM蛋白を検出し、有無と判定結果のみ報告しています。