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HbA1cがIFCCになると何がどう変わるのですか?

ヘモグロビンA1c(HbA1c)はヘモグロビンがグルコースと生体内で非酵素的に共有結合したグリコヘモグロビンのことです。過去1〜2ヵ月の平均血糖値を反映し、血糖値のように食前・食後等の日内変動がないため、糖尿病診断および治療コントロールの指標の重要な検査として全世界で臨床応用されています。

しかし、呼び名は同じHbA1cでも世界各国で測定する際の標準物質が異なることから値が異なります。例えば、日本糖尿病学会(JDS)が定め、国内で広く使用されているJDS値(%)と米国を中心に世界的に普及しているNGSP値(%)とでは算出方法と値が異なり、国際的にも学術的にも不都合が生じていました。そのため、HbA1c値については国際的な標準化が進められ、国際臨床化学連合(IFCC)が開発した新しい基準測定法によってIFCC値(mmol/mol )に統一されます。ただし、臨床検査においてIFCC値はHbA1cを測定する目的には使用せず、HbA1c検査を標準化する目的のみに使用されます。2010年以降の日常検査法の標準物質はIFCC法を基準にしたHbA1c測定になり、JDS値(%)とNGSP値(%)はそれぞれ換算式によって求められます。

ところで、米国糖尿病学会、欧州糖尿病学会、国際糖尿病連盟、IFCCの国際学術4団体は共同声明で、HbA1c測定値を国際的な学術論文、国際学会等で報告する場合、IFCC値とともにIFCC値から求めた換算NGSP値を併記することを発表しています。NGSP値は同じ%表示であるため、日本では一般臨床医や患者に混乱を招くことは必至で不利益をもたらす可能性があります。

そこで、2010年5月に日本糖尿病学会は国際学会での発表や海外の学術雑誌への投稿ではNGSP相当値で研究をまとめるよう勧告しています。一方で、健診や日常診療の場では、当面JDS値を用い、NGSP値の併記は行わず、1年程度の周知期間を置いた後、全国一斉にNGSP相当値へ切り替える方針です。

つまり、HbA1c(%)はこれまでと同じ数値で変わりませんが、NGSP相当値は同じ検体を測定しても0.4%高く表示されるため、十分な注意が必要です。

注意) NGSP相当値=JDS値+0.4
NGSP相当値への移行は、日本糖尿病学会が別途指示する日時に全国一律に実施される予定。