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ピティロスポリウム、エンテロトキシンA、Bは何のアレルギー?

ヒトの皮膚には常在する寄生菌があり、アレルギー症状の原因となっています。寄生菌にはカンジダ、ピティロスポリウム、トリコフィトンなどの真菌が知られています。

ピティロスポリウムはヒトの皮膚に常在する好脂性真菌で、主に頭部、顔面、背面などの脂漏性部位に多く存在し、健常成人の80%に認められます。年齢的には小児皮膚から分離されることは稀で、皮脂分泌の盛んになる思春期以降に多く認められます。思春期から青年期にかけてのアトピー性皮膚炎の悪化因子といわれています。成人アトピー性皮膚炎では真菌で最も高い特異的IgE陽性率を有します。また、顔面、頚部皮疹の重症度の高い患者や増悪後の年数の長い患者に高い抗体価が認められます。

真菌の他、黄色ブドウ球菌もアトピー性皮膚炎の重症化、発症に関与すると考えられています。ピティロスポリウムとは異なり、小児からも高率に検出され、小児アトピー性皮膚炎にも関与しています。

ところで、ブドウ球菌には2種類あり、皮膚を弱酸性に保つ表皮ブドウ球菌を善玉菌、さまざまな毒素を産生する黄色ブドウ球菌を悪玉菌と呼んでいます。黄色ブドウ球菌は食中毒などの感染症の起因菌としてよく知られています。健康な人では黄色ブドウ球菌は皮膚に付着してもすぐに排除されますが、アトピー性皮膚炎などで炎症を起こした肌は浸出液や血液等が表面にあるためにアルカリ性となり、結果としてアルカリ性に強い黄色ブドウ球菌が定着し繁殖します。そして、黄色ブドウ球菌の出す毒素が増え、炎症、痒みが強くなり、アトピー性皮膚炎の症状をさらに悪化させてしまいます。

エンテロトキシンは黄色ブドウ球菌が産生する毒素でA〜Eの種類がありますが、アトピー性皮膚炎の患者から検出されるのは9割がエンテロトキシンAかBのどちらかです。エンテロトキシンAとBは抗原性が異なるので、特異的IgEは両方の検査をお勧めしています。

注) ピティロスポリウムは分類法が改訂され、マラセチアと呼ばれています。