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梅毒検査のガラス板法とRPR法の違いは?

梅毒血清反応には、カルジオリピン、レシチンのリン脂質を抗原とする脂質抗原検査(STS)と梅毒トレポネーマ(TP)由来の抗原を用いる検査の2つの方法があります。

STSにはガラス板法、RPR法、凝集法、緒方法があり、古く「ワッ氏」と呼ばれた検査はワッセルマン氏が報告したSTSです。緒方法は補体結合反応で手技が煩雑なため、現在では用いられていません(保険収載なし)。凝集法1) は試験管の中で抗原と血清を反応させて凝集を目視で判定します。ガラス板法2) はガラス板の上で抗原と血清を反応させて沈降を顕微鏡でみて判定します。RPR法は試験管内やカード等の上で抗原と血清を反応させて、凝集を機械や目視で判定します。

ガラス板法、凝集法、RPR法はいずれも脂質を抗原とした検査ですが、検査手技が異なるため検査項目名称が違います。同じものを検査しているので、いずれか1法を行います。保険請求上でも「併せて2種類以上行った場合でも、それぞれ主たるもののみ算定する」とあり、1項目しか算定できません。したがって、ガラス板法とRPR法は検査手技が異なるだけで、同一の感度と特異性をもつ検査です。

ところで、STSは直接的にTPと関係しているわけではないため、必ずしも梅毒に特異的ではなく、他の炎症性疾患や自己免疫性疾患など梅毒以外の疾患でも陽性を示す生物学的偽陽性(BFP)が5〜20%あります。一方、TP抗体、TPHA法やFTA-ABSは特異性が高く、偽陽性率は0.1〜0.5%といわれています。

また、STSでは主にIgM、TPHAでは主にIgGが反応しているため、梅毒感染後2〜5週でSTSが陽性となり、次いでFTA-ABS、少し遅れてTPHAが陽性となります。逆にSTSが治癒後に陰性化しやすいのに対し、TPHAは長く陽性が続きます。

よって、梅毒の診断ではSTSであるRPR法定性とTP抗体を併せて行い、陽性の場合は定量検査を行います。治療後の効果判定にはRPR法定量を定期的に追跡して8倍以下に低下することを確認します。

注) 凝集法:測定試薬の製造中止のため、平成20年3月に受託中止
ガラス板法:測定試薬の製造中止のため、平成21年12月に受託中止