CRCグループTOP > シー・アール・シー > よくある検査のご質問 >
高齢者で梅毒検査が陽性となりました。感染者ですか?

梅毒は梅毒トレポネーマ(TP)感染症で、主として性行為または類似の行為により感染する性感染症の代表的疾患です。一般に、皮膚や粘膜の小さな傷からTPが侵入することによって感染し、やがて血行性に全身に散布されてさまざまな症状を引き起こします。

梅毒血清反応(梅毒検査)は、梅毒の確定診断や輸血、内視鏡検査、手術時の
スクリーニング検査として用いられます。

梅毒検査は (1)脂質抗原を用いる方法(STS法)と (2)TP由来の抗原を用いる方法の二つの方法を組合せて行います。(1)にはガラス板法、凝集法、RPRテストがあります。感度が高く、治療効果をよく反映することから、治療効果の判定に用いられますが、特異性が低く、梅毒以外の疾患でも偽陽性(BFP)となります。
(2)にはTPHA法、FTA−ABS試験があります。治癒後も抗体価が低下しないため、治療効果の判定には用いられません。特異性の高い検査ですが、稀に歯周病の
原因菌の一つである口腔トレポネーマなどにより、偽陽性を起こすことがあります。

高齢者では、治療を要しない陳旧性梅毒の他、慢性感染症などによるBFPや歯周病による偽陽性も多いため、むやみに患者扱いをしない配慮が必要です。

※BFP:生物学的偽陽性


表.梅毒血清反応検査
 方法 STS法 TP由来抗原を用いる方法
検査項目 ガラス板法、凝集法、RPRテスト TPHA法、FTA-ABS試験
診断/
スクリーニング
治癒判定 ×
特異性 低い 高い
偽陽性を起こしやすい疾患等 全身性エリテマトーデス、RAなどの膠原病、肝疾患、ワクチン接種、妊婦など、麻疹、水痘、EBウイルスなどのウイルス感染症、麻薬中毒(ことにヒロポン、ヘロイン) 歯周病(口腔トレポネーマ)、らい、マラリア、EBウイルス、エプトスピラ症、回帰熱、ライム病、全身性エリテマトーデス、RAなどの膠原病