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インスリンで「溶血のため低値」というコメントがついています。なぜですか?

ヒトの赤血球中にはインスリンを代謝する酵素が存在します。血球が壊れ、血球成分が血清中に流出するとその中の代謝酵素がインスリンを分解し、低値となります。

インスリン代謝酵素は、pH8.2付近で分解反応が起こります。通常血清のpHは採血直後7.5付近にあり、その後放置時間とともに上昇し、pH 8.0〜8.5になります。溶血によるインスリン分解反応の条件と同じになり、非常に分解されやすくなります。よって
インスリン測定値は溶血の度合と放置時間により低下します。

インスリンの分解を抑えるため、採血後の血液pHを低く保つように、血糖専用採血管(NaF入り)にクエン酸を加えたのがFC管です。血糖とインスリンを1本の採血管で測定でき、溶血の影響を受けません。


図.溶血度によるインスリン残存率の経時変化

〔参考〕土肥耕平、他:機器・試薬 12(4)、1989